ソフトボールは野球と違い投手から打者までの距離が近いので、球速を上げれば打者を打ち取る確率が上がるといわれています。
では、現在主流のウィンドミルというピッチングで球速を上げるにはどうすれば良いのか。
ある大学の研究論文を参考に、球速を上げるための5つの要素についてご紹介します。
ピッチングの球速を上げる5つの要素
まず初めに、球速と制球力は比例しないこともあります。
球速を求めるあまり、制球力が落ちてしまってはピッチャーとして致命傷になりかねません。
ここでは、球速を上げるための要素について解説しますが、球速を上げながら制球力も上げるトレーニングを模索していきましょう。
早速ですが、球速を上げる5つの要素がこちら
- 上肢長(腕の長さ)
- 背筋力
- 肘関節屈曲筋力
- 手関節屈曲筋力
- 握力
これは、ある大学のソフトボール部に所属する男子10名を被験者として10球投球してもらい、最高値と最低値を除く8球の平均速度と各部位の筋力との相関関係から導き出されています。
ピッチングの球速を上げるメカニズム
球速を上げる5つの要素がどのように作用するのか解説します。
上肢長
上肢長(肩から手までの腕全体)の長い選手は、肩を中心の円で考えると、ボールが中心よりも遠くにあるため高い遠心力が得られます。
高い遠心力は、ボールに加えられる力が強くなるため、球速が早くなると考えられています。
ただ、これに関しては鍛えてどうにかなるという問題ではないと思います。もちろん、子供のうちから身体を大きくするための努力は必要かもしれません。
子供用のサプリメントを使うのも一つの手ですが、まずは好き嫌いなく、しっかり食べさせることが大事です。
背筋力
ウィンドミルというピッチングは、体を前傾してから大きく伸びあがってステップしながら投げます。
この、体を前傾姿勢から戻すと同時に腕を大きく回転させるため、背筋力を利用して腕の回転エネルギーを得ていると考えられています。
つまり、背筋力が強くなれば腕の回転速度が速くなるので球速が上がるということです。
肘関節屈曲筋力
肘関節屈曲筋力とは、「ちからこぶ」を作るような動きの時に使う筋力ですが、この筋肉は肘から先の部分を回転(回内・回外)するときにも作用します。
腕を大きく回すソフトボールのピッチングでは、腕を振り上げてトップから下降するときに、肘から先は回外の動きをしています。
そして、リリースする手前で腕全体を内旋させてから最後にスナップを効かせてボールに回転を与えます。
この筋力が弱いと安定した回転にならず、球速が上がりません。
腕の力で投げるわけではないのですが、回転速度が速くなっても安定した回転を維持するためには、腕の筋力が欠かせないということです。
手関節屈曲筋力
これは手首の力のことですが、いわゆる「リスト」の強さのことです。
野球でもそうですが、リストが強いとボールに強い回転を与えることが出来ます。
スナップを効かせるわけですが、最後にボールをはじく力が弱いと球速も上がりません。
ボールにしっかりと力を伝えるためにも、リストの強化は欠かせないと思います。
握力
ボールを握る力が弱いと、腕の遠心力に耐えきれず球離れが早くなってしまいます。
そのため、大きな回転エネルギーを支えるためには、強い握力も必要ということになります。
特に小学生は手が小さいため、大きなソフトボールをしっかりと握ることが出来ません。
球速を上げるためには、小さい手でもしっかりとボールをキープする必要があるため、握力強化のトレーニングも取り入れていきましょう。
まとめ
ソフトボールのピッチングで球速を上げるための要素を5つご紹介しましたが、この中でも特に重要なのが、
- 上肢長
- 背筋力
- 肘屈曲筋力
の3つです。
上肢長(腕の長さ)は、個人の体型に依存されるのでトレーニングでどうこう出来るものではありませんが、背筋力と肘屈曲筋力やその他の部分は誰でも鍛えることが出来ます。
もちろん、筋力だけでなく柔軟性も必要ですが、ソフトボールのピッチングで球速を上げるための要素としてこれらを覚えておくと、練習やトレーニングの参考になるのでおススメです。
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